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デザイン全般

食品パッケージの世界!身近なデザインの裏側を知る

みなさんは普段、スーパーマーケットなどお店で商品を購入する際、そのパッケージをどこまで意識していますか?

ついつい手に取りたくなってしまうデザインのパッケージ、賞味期限が少しでも長くなるように工夫されたパッケージ、地球にやさしい素材が使われているパッケージなど、実はさまざまな工夫が凝らされています。

僕は食品パッケージには、目には見えない魅力がたくさん詰まっていると思っています。

今日は、僕がこれまでにしたきた仕事の経験をもとに食品パッケージに関する知識や裏話をお伝えしていきます。

食品パッケージの役割

食品パッケージは食品を包むためのものというのは当然のことですが、ここではその役割について簡単に説明します。

食品の保護

食品パッケージの最も基本的な役割は、中身の食品を保護することです。衝撃や汚れはもちろん、湿気や光、酸素などから食品を守り、品質を維持しながら消費者のところまで届けます。

また、食品の種類に合わせて材質や形状を工夫することで、より保存性を高めたり持ち運びやすくしたりする役割もあります。

情報を伝える

食品パッケージには、商品名や原材料、内容量、賞味期限などさまざまな情報が記載されています。法律で表示しなければならない情報が定められていますし、表示してはいけない表現も定められています。

食品表示検定という試験・資格もありますので興味のある方は受けてみてはいかがでしょうか。
食品表示検定協会のサイトはこちら

消費者が安心して商品を選び、正しく購入するために必要な情報を分かりやすく伝えることも食品パッケージの大切な役割です。

商品の魅力を伝える

食品パッケージには、その商品の魅力やおいしさ、ブランドのイメージを伝える役割もあります。食品表示やパッケージのサイズなど、限られた要素のある中でどうやって商品の魅力を伝えていくのかというところもデザインの面白いところですね。

色や写真、イラスト、タイポグラフィなどを通して商品の魅力を表現し、多くの商品が並ぶ売場の中で消費者に興味を持ってもらい、手に取りたいというきっかけを作ります。

食品が食卓に届くまで

食品パッケージはゴミ箱に捨てられて役割が終わります。中には食品パッケージをコレクションしている方もいるかもしれませんが……。

というわけで、食品パッケージの製造プロセスを食品が食卓に届くまでという視点でざっくりとお伝えいたします。

  1. 商品を作りたい!
  2. パッケージについて考え始める
  3. パッケージの仕様を決定
  4. デザイン制作
  5. パッケージ印刷・加工
  6. パッケージが食品工場に届く
  7. 商品のパッキング
  8. 商品がお店に運ばれる
  9. 店頭で商品が販売される
  10. 消費者が商品を購入
  11. 家庭で食品が開封される
  12. 食品パッケージがゴミ箱へ

こんな感じで、多くの食品パッケージの製造プロセスがあり、様々な人が関わっているモノなんです。食品パッケージは食品製造に欠かせない相棒ですね。

パッケージとデザインの関係性について

パッケージに印刷するデザインを制作していく上で、知っておくべきことはたくさんあります。ここでは説明しきれないほどありますので3つほどピックアップします。

食品表示法

食品パッケージに表示しなければならない情報、表示してはいけない情報が定められています。これだけしか表示してはいけませんよという法律ではなく、基本的にデザインは自由ですが、これは表示してください、これは表示してはいけませんという最低限の基準を設けているようなイメージです。

食品表示に関しては基本的に食品のメーカーや販売者に責任が生じますが、 デザイナーも知識があれば誤りに気づける可能性もあるので知っておいて損はありません。

印刷の仕組み

デザインを制作する上でここは欠かせません。
印刷は基本的にインキを使用して行います。

例えば、軟包装では、フィルムに版を使ってインキを転写していきます。最も基本的なのが5色の掛け合わせになります。CMYK +Whiteです。それぞれシアン、マゼンダ、イエロー、キープレート、ホワイトになります。

絵の具を混ぜると新しい色になるのをイメージしていただければ問題ありません。

どれだけの色を使用するのかというのは一般的に「色数」という表現がされるのですが、色数が少ないほどパッケージのコストは安くなり、多いほど高くなります。

ですから、デザインの制作前に色数を確認しておくことは必須です。

素材と形状

食品パッケージには、プラスチックフィルム、紙、缶など、様々な素材が使われています。

デザインを制作するときはどうしても平面上に描くことになるのですが、実際のパッケージの素材や形状を考えていく必要があります。

折り目や接着部分、シール部分やノッチ、フック穴などの仕様を理解しておけば、避けるべきデザイン、また、それを利用したデザインだって可能です。

例えば素材がアルミやアルミ蒸着であれば、下地は必然的に銀色になります。白をベタ塗りすればメタリック感を抑えることはできますが、あえて白を塗らずにおけば、黄色を金色のように見せることもできます。

また、中身によって膨らみ方なども変わってきますので、ここにこれを配置したらおかしなデザインになっちゃいそうだなということも考えられるというわけです。

さて、ここからは僕が経験してきたことを書いていこうと思います。

ブランドの指定カラーの印刷は実は難しい

ブランドのロゴやマークって何気なく見てると思うんですけど、どのパッケージに印刷されていても基本的には同じ色に見えるようにされているんです。これには関係者の多大な苦労が……。

なぜ難しいかといえば、前述した印刷の仕組みが関わってくるのです。

「ブランドの指定カラーは特色にしましょう」、これが全てで通用すればなんてことはありません。多少の調整はなんともありません。

ですが、色数によってコストが変わってきます。そうなると、少しでもコストを抑えるために色数を抑えたいというのが永遠の課題となります。

そこでブランドの指定カラーもかけ合わせにすればもちろん、特色を追加するよりもコストは抑えられます。そしてかけ合わせにするということは、他の部分に引っ張られる、ブランドの指定カラーが他の部分を引っ張るという現象がよく発生します。

あちらを立てればこちらが立たずと言いますか、シズル写真があった日にはもう「今日はいったい何時間かかるのだろうか……」という不安とともに印刷立ち会いに臨んでいました。時間がかかった印刷所さん本当にごめんなさい。

ですから全体のバランスを見て最終的なゴーサインを出していく必要があるわけです。でも、ブランド側からしたら指定カラーが他とブレてるのなんてもってのほかですから、僕もそこは譲れませんでした。

シズル写真撮影の裏側

パッケージに印刷されている商品の写真のことは通称、シズル写真と言います。

シズル感のある写真ということですが、シズルというのは五感を刺激して商品の魅力や臨場感を伝える技法、あるいはその感覚のことです。つまり、「おいしそう!」と思ってもらうための写真です。

このシズル写真にもいろいろな工夫が詰まっています。

まず写真にする商品は実際の中身を使います。違う商品や、実際の中身より多めに使用するということは僕が関わってきた中では、まずありませんでした。

調理が必要な場合はプロにお願いもしていました。フードコーディネーターという職業があり、シズル写真のための調理や盛り付けをされている方もいるのです。

そして、写真そのものはカメラマンにお願いすることになります。撮影現場では光の当て方や角度など、どうすればデザインイメージ通りの写真になるかということに焦点を当てて撮影します。

印刷立ち会いの時もそうなのですが、その場で勝手に色や写真を決めるわけではありません。色には色見本、写真には参考資料があり、各関係者に確認したそれと同じように再現するというのが大切になってきます。

そこをこだわり抜いていくのも僕の信条でした。

中身を見せるか、見せないか

スーパーマーケットに入店した時のことを思い出してみてください。ほとんどの場合、農産売場が入り口からすぐにあります。

そこで販売されている野菜はほとんどが中身の見えるパッケージで包まれていますね。野菜の場合、中身を直接見せた方が鮮度感も美味しさも伝わり、状態が見えるという安心感もあります。

魚や肉も同じですね。
生鮮食品は中身を見せてこそナンボなのです。

では、お菓子売場はどうでしょうか。これはシズル写真が載っているものもあれば、中身が見えているものもあります。ざっくりと言ってしまえば、写真を載せたパッケージの方が味や食感を想像しやすいか、中身が見えた方が商品の状態や素材感がわかるといった安心感もあるというところなのかなと考えています。

つまり、どっちにするかは生産者や販売者の意図によって変わってくるわけです。ただ保存性を考えた場合、中身が見えない方が劣化はしにくく、品質を保つためという見せ方以外の部分も関わってきます。

電卓と睨めっこ(本当はエクセル)

はじめに言っておきます。
僕は数字の取り扱いがあまり得意ではありませんでした。

皆様は「連」という単位を聞いたことがありますでしょうか。
僕はこの業界に関わって初めてその単位を聞きました。

この「連」とやらが何者かというと、フィルムの単位になります。フィルム原紙を取り扱うこともあったので、その場合、この連という単位とともに価格を算出していました。

一般的には紙の単位だそうですが、フィルム業界独自の販売単価にも連が使用されているみたいです。

さらに紐解けば、「500mm幅×1000m=500㎡」が連になります。400円/連であれば「500mm幅×1000m=500㎡の価格が400円」ということになります。僕はこの時点で逃げ出したくなります。わかりやすく言えば、幅1mの500m巻きのフィルムロール1本ということです。

これを印刷会社へ卸す際は、メートル単位になります。そう、連単価からメートル単価に変換をする必要があるのです。 なぜメートル単位に直すかといえば、使用量や発注量が何メートル必要かという考え方になるからです。何連必要かという基準では分かりづらいんです。

さて、ここまでは連単価の説明をしてきましたが、もう一つ「cc単価」も存在します。こちらは1立方センチメートル(㎤)当たりの単価のことになります。

「フィルムに体積って……」という感じですが、薄くても厚みがあれば体積は存在します。

例えば、厚みが50μm、幅が800m、長さが1000mに原反があったとします。まずはこれらをすべてcmに直します。すると、「0.005cm×80cm×100000cm=40000cc」となります。そして、cc単価といえばこの40000ccのうちの1ccの価格ということになります。

こちらの場合も、もちろんメートル単価に変換をします。

当時はまだAIもなかったので、エクセルに計算式を入れて計算をしていました。こうしてエクセルと睨めっこする日もあったわけです。

展示会へゴー!

展示会の会場としてよく利用される東京ビッグサイト

僕は展示会にもよく行ってました。

食品そのものを扱った展示会、食品パッケージに関連した展示会、包装機械の展示会、デザインの展示会など、食品や食品パッケージにまつわる展示会にはよく行かせていただいていました。

展示会に行けば仕事の勉強にもなりますし、仕事を依頼する企業を探すこともできます。展示会で出会った企業と仕事が形になったときは、自分で仕事を構築しているという感じがして、仕事の面白さも実感できました。

また、 どの展示会も活気に満ちており、楽しみながら見ることもできました。企業が売り出したい商品や、これから導入が進んでいくであろう未来の技術など、その企業が力を入れているものやことが展示されているわけですから皆さんパワフルなんです。

展示会に行って企業の方と話し、実際にそれが仕事としてつながっていく。
とても面白いと思いませんか?

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